うたをよむなり。

ねずみです。あちこちで詠んでる詩歌のたぐいをまとめようとおもいました。

題詠みたんか'21.7月8月

題詠みサイトさんで詠んだ歌たち。

 

8月の食堂だけが知っている冷やし中華はもうやめました
2021年08月31日『夏の終わり』

晩酌の約束ついに果たせずにお盆休みに買う缶ビール
2021年08月30日『晩』

クララとて立ちも座りもしないまま空へ飛び立ちたい夜もある
2021年08月29日『クララ』

わいせつは犯罪ですのポスターに見てもらえない猥褻がいる
2021年08月28日『猥』

わたくしと言えといわれてワタクシと言う練習をする十二歳
2021年08月23日『私』

冷房は強めにかける共寝には27℃は高すぎるので
2021年08月21日『27℃の夜』

崩壊の予感見慣れぬズボンとか置かれたままのマグカップとか
2021年08月18日『崩』

行進はもう止まらない革命の笛につられて踊るねずみだ
2021年08月17日『進』

夕立を言い訳にして傘ごしに並んだ肩と重なる指と
2021年08月12日『夕立』

行き先もわからないキス更新もしてない免許だけが知ってる
2021年08月09日『免』

じぶじぶと火花も出さず膨らんだ線香花火のような恋情
2021年08月08日『花火』

喉をすべる炭酸水はそのうちにいいことあるさと無責任だ
2021年08月06日『炭酸』

高く高く伸びていく雲あおぞらの先には何もないとも知らず
2021年08月03日『入道雲

ゆっくりとこころをなくし幼な子と蝉に追われて夕暮れを待つ
2021年07月28日『忙』

六畳を漂う蜘蛛の人ひとり背負わせるには細すぎる糸
2021年07月27日『細』

汗をかく麦茶のグラスふたりぶん人が戻ってくるのを待って
2021年07月26日『汗』

さざ波が寄せては返す横浜の港の船の彼れに手を振る
2021年07月23日『浜』

くるくると渦巻いている線香の灰で魔法を書いた夏の日
2021年07月22日『蚊取線香』

鼻先にマスクつけられとっくりも取り上げられた陶器の狸
2021年07月16日『狸』

ただいまもおかえりもなく猫もなくセブンイレブンだけが待ってる
2021年07月15日『セブンイレブン

もう顔も覚えていない初恋が残る机のみよちゃんの文字
2021年07月13日『机』

大阪にあるものでしょう大勢で中に飛び込むんでしょ知らんけど
2021年07月11日『道頓堀』

溶けていく氷砂糖はひんやりと祖父母の家の畳の匂い
2021年07月09日『氷』

感情に付ける名前を探しつつ今日も「おはよう」「おはよう」を待つ
2021年07月08日『?』

チョコミント味と言われたコーヒーの無念を思い重ねた恋は
2021年07月07日『チョコミント

エビになれお前はエビと言い聞かせ鶏むね肉に衣を着せる
2021年07月06日『衣』

平和とは妥協のことだ半分に折られた腹でサブレが語る
2021年07月05日『和』

はじまりの合図食まれる指先は痛みもなくて従っている
2021年07月03日『痛』

虹色に縁の輝く水たまり魔法みたいと笑ってた頃
2021年07月02日『水たまり』

虹色に輝く雲だ戦争のなかでも上を向けと謳うは
2021年07月01日『虹』