うたをよむなり。

ねずみです。あちこちで詠んでる詩歌のたぐいをまとめようとおもいました。

観劇感想短歌企画(2回目)詠み歌

新規だったりちょっと変えたりしたのだけ取り出して置こうと思って。

 

ラブ・ネバー・ダイ
馬銜もなく鐙蹴り抜く行く先も見えぬされども負ければ地獄
※馬銜(はみ):ブレーキ兼ハンドルに必要 鐙(あぶみ):アクセル
星々の高み至った歌鳥を恋散る者が墜とす銃声 

 マタ・ハリ
地を這えど失くしはしない本物の愛のことばを西へゆくまで
長雨は打ち消していく戦場へ流れゆく血も最期の声も
またひとつ積もる神さえすくえない組んだ指からこぼれた命
折句「マタ・ハリ
 舞い踊るステージの裏とびかうは愛の言葉と嘘とスパイと
 誰そ彼と問う者もなく太陽の光が隠すマルガレータは
 華やかな衣装と化粧身を清め生まれ直して『マタ・ハリ』になる
 りんとなる音色踊りも鮮やかに捧げる神は闇の向こうに

スリル・ミー
星空に手は届かねど立ち昇る炎は夜を焼いてオレンジ
君が呼ぶためだけの名だ今はもうどこにもいない死んだ名前だ 

ストーリー・オブ・マイ・ライフ
電飾の星降る聖夜ともに行く人もなく待つ人は亡く

王家の紋章
血を吸って咲いた睡蓮目の碧はナイルの神秘映しかがやく

タージマハルの衛兵
飛ぶ羽も飛ぶ先もなく君もなく地べたで見上ぐジャングルの夢

森フォレ
祝福は呪いと成りて繰り返す継がせる父と手放す母と