うたをよむなり。

ねずみです。あちこちで詠んでる詩歌のたぐいをまとめようとおもいました。

7days100tanka企画参加ろぐ(2013年)

決まった期間で大量に詠む個別取り組み企画(だいたい出せていない)

#7day100tanka
13.12.2
望まれたいつもおんなじ夢姿見せるわ、だから愛をちょうだい
おはようの笑顔与えて振りまいて 愛しています、だから愛して

13.12.1
磨かれてくるりと丸い宝石は 傷がないのね愛いや憎しや
しまってよその作られた可愛さを 爪を突き立て矧がしたくなる
目と耳とはだを使って君を知る 知れば知るほど傷付けている
手を取って指に口づけ呟いたきみのことなどどうでもいいよ

13.12.28
手のひらも水も毛布もいらないの ここにいることだけをゆるして
冷えた我が身に滲む火の熱が肉を崩して焼き潰す #だが都々逸
あそぼうもだいじょうぶだよもいらないの それぐらいなら傷を抉って
xxxxと言ってくれれば微笑んで銀のナイフを差し出すのにさ

13.11.27
望月に映されているシルエット餅をつくのか本を読むのか
まんまるくかがやく月に隠れてる赤と青とをみつけてあげて
曖昧に色みの違うイチゴの実ぐちゃぐちゃ潰し一色にする
いちめんを覆いつくした緞帳の下から洩れる炎の赤さ
すごいねの無神経さに気づかない普通を名乗る人の多さよ
重いなら棄てていきなよ掃き溜めにされることには慣れすぎている
やさしさでごまかしている焦点が濡れた眼のまま笑う素振りで
根は張れど花は咲かせぬ実も付けぬ依存とわかっていて恋をする
無意識が埋めて化粧が蓋をして骨が喋ったコンプレックス
目の前の君の願いは何ですか 死でも生でも従いますに
この部屋のすみっこにいていいですか 僕には少しひろすぎるので
がんばればゆめはかならずかないます 敗けを知らない人の声援

13.11.26
壊れてる赤血球を眺めては ああ秋だねとわらう霜月
愛してと愛してとただわめいてる 何がほしいかわかりもせずに
窓のそと青い夜空に浮いている月はいったい何色ですか
風船をただひたすらにふくらます ぼくを削って期待を入れて
渡されたこういが首を絞めてゆく 曇りひとつもない信じてる
夕食も湯船も用意されている おかえりひとつもらえなくても

 

#7day100uta
13.12.9
【17】千鳥ふたりが肩組み歩く よぉく見りゃ手が震えてる #7day100uta"@vol_008: 【58】 酒の席なら言えると思い伝えりゃあんたも酔っていた *7days100uta 都々逸"
【16】たんとお食べよあわびの刺身舌で突つけば身を捩る
【15】掃除機に吸い込まれてく雪の音 混じる吐息も好きの言葉も
【14】背筋伸ばして真っ直ぐ歩く道の先には何を見る
【13】すみれの花が育てた青を切って貼り付けバラにする
【12】白々と息を吐き出す月曜日 心を持たぬ僕は機関車
【11】さよならと刺した刃に目を伏せたゆるされぬまま今日が終わるの ささめゆき
13.12.8
【10】恋を食らって生きてる人の胸を叩けばよく響く
13.12.7
【9】煙に巻くのがお得意なのね葉巻き煙草を燻らせて *1
【8】国も王座も惜しくはないがお前の手だけは離しゃせぬ
【7】キリンのまなこがうらやましいの君のつむじが見れるでしょ
【6】風に流れてくるくる回り屋根で囀る風見鶏
【5】折り鶴の羽をただただ曲げていく 風を拾って羽ばたけるよう
【4】煙突を眺めはためく鯉のぼり 空をのぼって龍になりたい
【3】うさぎうさぎや何見て跳ねる 主の柔肌みて跳ねる
【2】いいひとは仮面だよって説いた人 そこが「いいひと」だと言ってるの
【1】愛してとあいしてとただそう言った なにをしてとは言わないままに

*1:葉巻の煙は肺に入れない、つまり胸の奥から出たものではないんだよって野暮を補足します。って当時の私が言ってた

旋頭歌詠み #sedoka75 詠み歌(~'13.8.)


五七七の片歌に五七七の返歌を返す旋頭歌詠みの企画に参加したときの記録。
2人で1つの歌にする性質上、歌詠み企画で詠んでるのがほとんどみたいですね。


13.8.18
ソファの上 きつく瞑ったまぶたの裏で RT @dodoitsu_ はぜる音 火薬が赤い花を咲かせて http://twitpic.com/d8vfpz
夢朝日 滑らかな肌 焦がす陽炎 "@gattonellauto: 白日夢 焼けた素肌は 夢か現か #旋頭歌
射ち出した 槍の先には 安全カバー "@dodoitsu_: 堪え忍び バックオーライ 発射オーライ #旋頭歌

13.8.17
夢でさえ離してくれぬ我が主様 RT @hasmkai 寝呆けてる暇があるならご奉仕しろよ #旋頭歌 #せせせせどうか
蜜色のラム酒をかけたアイスクリーム #sedoka75 #片歌
またおいで夕焼け色の夏を差し出す"@dodoitsu_: 空色のアイスキャンディーひとつ下さい #旋頭歌
墨色に どろりとかして酸化させてく RT @qwerty_misp 幸福は ただひと匙のコーヒーの毒 #旋頭歌
ごおごおと檄を残して晴天の空"@kochi_192: 謳歌せよ生きよ走れと追い立てる雲 #旋頭歌"
案ずるな盆も過ぎたし連れてきゃしない"@dodoitsu_: できないよ君と彼女を二人きりには #旋頭歌"
人波で 一人ぼっちを味わうよりは "@qwerty_misp: 引き籠る 一人ぼっちは寂しいけれど #旋頭歌

13.4.21
濁り花 雨に打たれてはくはくと泣く #片歌 #架空季語 https://twitter.com/kaku_kigo/status/325726742494994433
艶なれば 本気に雑ざる ひとひらの演 RT @hasmkai いや、いや、と よじる身体も こぼれる声も #旋頭歌
仏頂面お尻に圧され押し花になる RT @kagen_s 座布団の下にしまってにこにこ相槌 #旋頭歌
寝台の 私がいつも寝る側の隅 RT @ayameyame 部屋の隅 なんだか闇が濃ゆい気がする #旋頭歌
遅効性 毒のあかみが 艶もち映える RT @qwerty_misp 嘘ばかり はく唇に こう 紅の色 #旋頭歌
下向けば水が漏れると知っているから RT @junju_usako ため息をついては空を眺めてばかり
#旋頭歌
散り桜 想い重ねて 心託して RT @nekoya222 花吹雪 涙隠して心隠して #旋頭歌
汗ばんだ震える手と手 ぎゅっと握って RT @_nokishita 飛び越えていけるだろうか 迷うことなく #旋頭歌
空色を白い画用紙いっぱいに塗る #片歌
夢の中 口に含めば 満ちる桃の香 RT @mokekenoke_ 手に取れば 想い溢れて 限度を知らず #旋頭歌
わがままを 言わないことも また我儘で RT @splanxnizomai わがままを 言ってほしいと どこか寂しげ #旋頭歌
卒業をさせる側へと 替わり通った RT @KyosiroNagareda 卒業をした筈の場所 離れられずに #旋頭歌
同時刻寝ぼけ踊った人形時計 RT @kagen_s 思い出し独り言いう電柱の鳩 #旋頭歌
しゅわしゅわと流れる脂縮んだ中身 RT @dodoitsu_ でっぷりと肥えた蛙を油で揚げて #旋頭歌
夕靄の 先を夢見て ただ目を凝らした RT @splanxnizomai 朝霧の 中を歩いて どこかへ消えたい #旋頭歌
胸にある声の代わりに嘘をこぼした RT @hasmkai 本当のことは誰にも言えない秘密 #旋頭歌
もちもちの父の腹からビールの気配 RT @dodoitsu_ もちもちの息子の頬からミルクのにおい #旋頭歌

13.4.20
樹の下に 舞った花びら 愛でる人あり RT @gattonellauto 咲いた花 見られることなく そっと散りゆく #旋頭歌
使われて 勝てるわけない 涙と情にゃ RT @gattonellauto 使われて 初めてわかる 武器の危なさ #旋頭歌
夢馳せる 閉じた瞼の 奥の瞳に RT @vol_008 花開く 冷たい風を 横目に見つつ #sedoka75 #旋頭歌
花びらは 口に溶けない 砂糖菓子の音 RT @splanxnizomai 花に酔い 溶けない雪は 甘い気がした #旋頭歌
この海の 底からだって呼んでおくれよ RT @kasumivoice あの空の 鳥より速く飛んでいくから #旋頭歌
十字葉に黒いケープを纏った乙女 RT @kagen_s モンシロチョウ思わせぶりに旋る菜の花 #旋頭歌
檻の中 黒い眼が言う もう一粒と RT @vol_008 震えてる 短い睫毛が 何か訴える #旋頭歌
「おはよう」と いつものように 右手を挙げた RT @gattonellauto 「また明日」昨日も言った 明日も言える #旋頭歌
同じだけ 僕の魂 あげるから、ねえ RT @kasumivoice 同じだね 君が要る僕 僕が要る君 #旋頭歌
ゆかないで そのひと声で 止まったのにと RT @splanxnizomai ゆくんでしょ 時間とあなたは 引き止めきれぬ #旋頭歌
どうしたの 声かけられて より赤くなる RT @splanxnizomai 風邪じゃない 花粉症でもない 頬の赤みは #旋頭歌
星屑をまぶした敷布 碧の上掛け RT @ayameyame 宝石を散らした天蓋 藍の敷妙 #旋頭歌
壁の中 声の槍から 人を防いで RT @kagen_s 音の檻 頭閉じ込め コード巻きつけ #旋頭歌
探そうか 全ての扉を開く合鍵 RT @kasumivoice 鍵開けろ お前の心は何重扉だ!? #旋頭歌

13.1.20
愛もって 肉体だけは 差し出しましょう RT @hoiru_utayomi 殴る蹴る それでもそれを 愛と呼ぶなら #旋頭歌
夢の中 魂を飛ばして逢いに行くから RT @ayameyame 三日後に 君が見る夢教えてあげよう #旋頭歌
天然の香り嵩増し価値を高める RT @hasmkai 香料と着色料で準備万端 #片歌

13.1.19
五七七 音に合わせて 広がる世界 RT @dodoitsu_ 七五調 空を介して 響け世界に
青空の キャンバス汚す 白い*液 RT @dodoitsu_ 下ネタよ 空を介して 響け世界に
猫の中 潜むけものは 爪 牙持つか RT @gattonellauto 気が向けば 猫を被らず 詠んでみようと
宿題は 言えないままの きょうはごめんね RT @splanxnizomai 書いて消し 書いては消して 破棄して閉じる
その声が 耳朶を叩けばうれしさが熱い RT @ayameyame あなたの手 触れられるだけでさみしさが融ける
誰がために 意地を張ったか 削れる明日 RT @vol_008: 眠くない 意地を張っては 引き延ばす今日
青空に 白い吐息で雲作り出す RT @yukari_rito: 澄み渡る 冷たい空気に背筋が伸びる
朝焼けの 君を燃やした 炎の色が #旋頭歌 RT @dodoitsu_: 雪解けの 僕をうつした 水鏡から

13.1.18
北風にほんのり滲む陽射しを嗅いだ RT @kagen_s: 枝の先つぼみは何を徴に開くか
雪の中 見えない道を ひたすら歩く
励ましを くれたお前の あぎとに食われ RT @gattonellauto: 頑張れと 言葉悲しき 弱肉強食
眠る前 携帯見つめ ため息をつく RT @hie_syo: 風呂上がり 君を想って またひとり酒

12.10.14
雨上がり ひらり飛び立ち虹になり行く RT @kagen_s 雨の日にポンと開いて肩にのる花
指先と温度を絡めて歩いてく夜 RT @kagen_s 手の先もだんだん冷たくなってく秋に

#深読み和歌 ログ

誰かの詠み歌を斜め上に膨らませて解釈することば遊びをした記録。
確かねえ、詠み歌が想定と違う解釈されておこってる人を見かけて、表現ってそういうことだぜ楽しもうぜって企画したんだった。

 

13.1.28
「よくやった、お前ならできると信じていたぞ」我が主は満面の笑みを浮かべ、お褒めの言葉と品をくださった。忠誠を疑わないその眼差しが嬉しく、辛い。私は貴方を主としてだけでなく、 #解 RT @kasumivoice 「よくやった」 主君に褒美を賜って 湧く喜びと罪悪感と #深読み和歌

13.1.27
靴下もズボンも脱ぎ去って、かつてはこんこんと湧いていたやわらかな水は涸れ、摩擦で指にひっかかる土手に蕾は小さく縮こまった。お前はもう、俺じゃあ悦んでくれないんだな。 #解 RT @gattonellauto 脱いだ靴下 砂漠は語る 主の下腹 電磁弁 #深読み和歌
馬も犬さえ振り向きもせぬ人の恋路で歌を詠む #深読み和歌 #詠

13.1.26
公園に訪れる小さな屋台。大きな羽根が付いた看板は真っ白、ピンクの文字で天使屋と書かれている。なんでも、この店で買った卵を20日温めると恋のキューピッドが生まれるのだとか。 #解 RT @hasmkai 明日にはあなたに届いているはずね だってこれから飛びたつのだから #深読み和歌
糸吊りのおもちゃの夜に手を伸ばす無垢な瞳に宿る太陽 /ベビーベットの上に吊るされた月と星が付いたおもちゃ。夢中で手を伸ばす赤ん坊の目はきらきらと輝き、思わず見とれてしまった。 #解 RT @junju_usako 月と星右耳揺れて眩しくてそらせないまま珈琲啜る #深読み和歌
鮮やかな青空とそれを引き立てる白い雲。制服姿の彼女が胸に抱くのは艶のある黒い紙筒。先生、今までありがとうございました。精一杯の笑顔でいう彼女の目から一粒のしずくが落ちた。 #解 RT @kasumivoice さようなら 今宵が最後の逢瀬です 別れを告げる私の手には #深読み和歌
彼は苛立っていた。寝室を飛び回る羽虫がぶんぶんと煩わしい。今度こそ捕まえてやる。耳を澄ませて狙いを定めぱっと手を伸ばし、握る。音は止んだ。…さて、手の中のモノをどうしようか。 #解 RT @gattonellauto 怒りにまかせて 上げた拳の 降ろし処を 探してる #深読み和歌

共に実って喰われるものと鏡見ていたさくらんぼ #深読み和歌 #詠

ついぽえむというジャンルがあったんですよ

 

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#RTした人の殺害方法 13.6.5
ろくにんめ。【@qwerty_misp】お仕事帰りにれっつ誘拐、小部屋に入ってもらいます。衣食住とパソコンを与えることを条件に脳波の測定をお願いします。十分なデータを取ったらAI「MAMETA」を作成、オリジナルにはウイルスを注射します。 #電子化
ごにんめ。【@vol_008】ぎゅうとハグした後で、一日あそびに連れまわします。いちにちの終わり、別れる直前にエーテルを嗅がせて麻酔。今日の思い出と一緒に大きな瓶に入れて、ホルマリンを一杯に注いできゅっと瓶の蓋を閉めます。 #標本化
よにんめ。【@robatani】今度セッションを行うのでやりませんかと誘います。キャラメイクではなりきりということで、ダイスの目に対応したアイテムを手渡します。いよいよゲームスタート、動かすPCはPL自身です。ゲームの終了条件は全てのPCの殺害。 #RP殺
さんにんめ。【@otyneet_bot】音がとてもよく反響する、小さな部屋に連れ込みます。真っ白な部屋の唯一の黒は備え付けたスピーカー。とがった音で突き刺して、爆発音で圧しつぶして、全身の細胞を音で壊してしまいましょう。 #音殺
ふたりめ。【@rinxx24】まっしろとうすピンクのふわふわマシュマロを用意します。部屋いっぱいに用意した中にりんごちゃんを突き倒し、上から強く押し付けます。ふわふわの甘い香りで口と鼻をふさいで、ながいながい眠りにご招待。 #窒息死
ひとりめ【@Cannibalism010】手紙が入った封筒を手渡しながら服に縫い付けたカッターの刃で手首に切りつける。驚きはしても致命傷になりやしないでしょう、しかしその一瞬で十分。本命は頸動脈、反対の手でポケットのナイフを抜いて思いきり突き刺す。 #刺殺


#非公式rtした人の最期を童話エンディング風に書く 13.5.14~17
森にできた日だまりのなか、いっぴきの猫がねむっています。夏風がそより踊ってやわらかな毛をくすぐっても、身じろぎもせずぬくりぬくり。まっしろな蝶がひらひらとやってきて、ねこの耳にそっと翅をやすめました。【@hasmkai】
胸の前で手を組み合わせ、漸くね、と女が笑う。そうだねと腕組みした男の応え、預けていた身を壁から離す。潤んだ眼と眼を合わせ己の胸に向けていた刃を軽やかに反転、魂の在り処まで届けと正面から抱きしめた【@Cannibalism010】
お山に生える樹木はト音、お池に泳ぐ魚はヘ音。ねえねえ一体ここはどこ?たららん、ぽろろん足音立てる音符の住人に訊ねてみても、返る言葉はりりらんるらん、音の波。賑やかすぎる音の世界は、みな五線譜の柵の中。【@kasumivoice】
硝子でできたそのボタンは、深いふかいあおいろに、僅かなみどりがまじった不思議な色合いをしておりました。彼の服の袖からそれがちらちらと覗くさまはまるで、海を飼っているようにも見えたのでした。【@am_gappa】
ここはどこ?ぼくははやくおうちに帰って宿題をやらなけりゃいけないんだ。おとこのこがこう尋ねるとシルクハットは言いました。ここは世界とせかいの間さ。きみがしんで望む限り、帰りのドアはあらわれないよ。【@vol_008】
あなたはいつもそう。やさしすぎるのね。そういって、おんなのこはさみしそうに笑います。変わってなんて言わないわ。わたしは、そんなあなたをすきになってしまったんだもの。【@dodoitsu_】 #非公式rtした人の最期を童話エンディング風に書く 話の終わりは童話のおわり。
#非公式rtした人の最期を童話エンディング風に書く 話の終わりは童話のおわり。最後のページを閉じるたび、こどものためのお話はそっと呼気と吸気を止めるの。


#非公式RTしてくれた人を自分の世界観で動植物にする 12.8.29
お気に入りの人と会うと一緒に散歩し、偶に小瓶に入った金平糖を見せてくれる。深夜、白い犬とじゃれ合う姿が見られる。懐かし甘い香りのもふもふわんこ RT @bisuccobisuco もしよければお願いしたいです|・ω・*)
温厚で大人しく撫でられるが、気を許した相手には悪戯で軽く牙を立てることもある。傷が付かないよう力加減は完璧。時折朝まで星のない空を見上げている。白い毛並みのふわふわんこ#わんこ統一 RT @hasmkai |ω・)ノシ
都々逸を嗅ぎ付けると駆けだして詠み手の足元で尾をふりふりお座りする。一心に見つめる瞳に負け、歌を詠み続ける人は数知れず。黒い瞳の和わんこ。 #わんこ統一 RT @dodoitsu_ 動物なのか植物なのか、それが問題だ。
ある家に小屋を持つ地域犬。声を掛けてもはたりと尻尾を揺らす程度だが、自分を可愛がる人間はきちんと覚えている。うす茶色の毛並みを持つ立ち耳わんこ。 #わんこ統一 RT @sosnority2 お願いします( *・ω・* )

 

企画参加とか

#四季彩冬色 13.12.7~8
抱きしめた君の肩は薄く、触れれば温かかった。愛しているの言葉と伏した面の色は窺えず。胸に当てられた手のひらは怯むほどに冷たく、紅の隠れた爪の先が嘘を吐けずに震えていた。 #四季彩冬色
薄っすら纏うベイビィピンクは雑味の黒を打ち消して。くるりくるりと振りまく黄色は鮮やかに、艶やかに。意識あってか無意識か、情撒き下地を塗る魔女が唯一塗らないその理由は、諦めか、無関心か。恐怖ならば可愛いものをと瞳の黒い猫がいう。 #四季彩冬色

#アイの欠乏 13.11.2~8
視覚、聴覚、嗅覚その他。人とのずれを血眼で探す。嘆く。誤差で収まる僅かな違いを致命的だと過信する。軸も指針も手にはないから枠との差違にしがみつく。 #アイの欠乏 #自意識過剰
くるくると変わる四季彩変化、視て取りやすいバラメータ。彩色豊かなあなたの色にただ1色が選ばれない。方策としての回避なのか無意識のうちの忌避なのか。舞台を描き魅せる魔女に指摘する者は未だない。 #アイの欠乏 #嗜好あるいは拘り
吐き捨てられた醜いものに刃を刺して切り開く。ここまでは事実、ここまでは身勝手、ここから先は品性のなさ。素直に呑み込んでみせるからって、その言の汚なさに気がつかないと思っているのかい?いぬの仔でさえ、恐怖と侮蔑はきちんと嗅ぎ取るのに。 #アイの欠乏 #黙殺
イドの境界でしんしんと涌く後悔と不安の泉。溢れた水は陸地を洩れなく浸し、雫で誰かを濡らさぬように表情と抑揚を殺ぎ落とした。結果乾いた色のなさを攻撃と評すのならばどうぞ踏み荒らしにくれば良い、泥濘に足を取られて衣服と顔を汚すだけだ。 #アイの欠乏 #惨敗

#空想の街 13.8.29~31
街のあちこちで舞う白椿をたま売りはじいと見上げる。視線を少し横にやれば、一文字抜けた立て看板。ふたつを交互に眺めた少年はこくりと頷き、白いリボンを取り出した。ゆるく結び目を作り、内側にきゅ、と椿の文字。ぷわりと飛び出した椿はそのまま、リボンに捉まって髪飾りとなった。 #空想の街
たま売りは祭りというものが好きである。街全体がゆったりと含む陽だまり色が心地好いという。とけて消えてしまいそうなくせして、少しばかりの憂いた色なら染めてしまうゆるぎなさは安心してみてまわれるのかもしれない。 #空想の街
宴に浮き立つ街中をふわふわふらりこどもが歩く。いつもの屋台は置き去りで、荷物は腰にひとつだけ。物語たちからから鳴らし透ける目をしたこが歩く。 #空想の街

#子供の調理法 13.8.1
隠し包丁に「あなたのため」を忘れずに。子供の意志を断ち切ることで、絶望が全体に染み渡ります。
躾と賞賛は気紛れがベスト。確固たる指針を作らずにいれば、常にあなたの機嫌を伺うようになるでしょう。お小遣いは報酬制でひとつまみ。不条理に取り上げて無力感を与えると気骨がなくなり食べやすくなります。

#嫌悪感の殺し方 13.6.20~21
笑顔の裏に透ける侮蔑。好意の皮を剥いだ感情の正体と意図がわからなくて。私は貴方を敬愛するけれど、不出来な番犬は愛を望めないでしょう?存在が嫌悪の根源だというのなら、せめてこの身くらい消してみましょう。 #嫌悪感の殺し方 #逃亡
心をまっすぐ此処に置いて、殻を被せてうずくまる。向けられた悪意は感知、受容、伝達器官はないけれど。logの値はマイナスを持てない、負を知らないからこその博愛。 #嫌悪感の殺し方 #不感応 あなたのことがだいすきですよ/きらいっていうものがわからないの

#狼少年の嘘/#狼少年の本音 13.4.1
〇嘘
「ごめんな」「なんであやまんの」「連れてけなくて。俺が案内してやるって言ったのに」「いいよ、別に。そんな気にすんなよ」「でもおまえ、すごく行きたがってたじゃん」「まーね。でも探検みたいで楽しかったし」「……そっか」「うん」
忙しいけどたまには会おう 背中叩いて笑いあう
〇本音
ごめんな。俺、お前を騙したんだ。本当は店に行く気なんてなかった。その店がもうないとわかっていて、わざと行きたいってねだったんだ。こうやってお前と、少しでも長く歩いていたくってさ。 #狼少年の本音
ごめんな。俺、お前を騙したんだ。本当は道を忘れてなんかない。通りの一本一本までしっかりと憶えててわざと間違えたんだ。こうやってお前と、少しでも長く歩いていたくってさ。 #狼少年の本音
これで漸く縁切りできた 拳握ってほくそ笑む #狼少年の本音 RT 忙しいけどたまには会おう 背中叩いて笑いあう *狼少年の嘘

#空剥 13.2.3~5
デジタル数字が足されて引かれての時限爆弾。窓の中にゼロが揃えば僕の願いは叶うかもしれないけど。君がそれ以上傷を負うのは本意ではないからね、数字が小さくなったなら、望んでなくとも連れ去ってあげよう。 #空剥 誘拐
理想を目指して今を踏みつけ、励んで励んで焦って焦って。それでもなお向上を進むなら、ぼくは止めやしないけれど。悪戯の素振りで、ブレーキペダルに掛かった鍵を踏み破るくらいは許してくれる? #空剥 実験
揺れて魅せて隠して見せて。しまうのばかりが巧くなってしまったきみは、根っこをきちんと抱いている? 微かに赤い目元はひとりの涙か夜更かしか。せめて幸せ故であればよいと、魔法をこめて髪に託す。 #空剥 実験

#日々択一 13.1.23
寂し寂しと嘆く夜半、一羽の小鳥が地におりた。こんな暗いなか一人でいるのは危ないわ。お日様が顔を出すまで私が一緒にいてあげる。一人と一羽が寄り添う岸を月と星が照らしても、優しい夜は未だ明けず。 #日々択一 #第一問

薄く暗い夜のなかで膝を抱きしめて座っていたきみが、小さなあかりに付いて夜道を行くという。
考えて悩んでそれに縋ると決めたのなら、けっして止めはしないけれど。
でも、ねえ、その蛍はきみの方を向いてくれるの? #日々択一 #第一問

#愛恋好心という文字を使わずに恋をしている事を表現してみる 13.1.22
赤い手袋鞄に隠し 寒いから手を繋ぎましょ  #都々逸
あなたがしあわせだというなら、善であろうとなかろうと構わないのです。

#違和感の殺し方 13.1.3~5
違和感を殺せ、違和感を殺せ胸騒ぎと焦りを殺せ。原因は知っている由来には気づいてる、ふたつが違うことも知っている。別のものだ、同じ因で同じ果は出ない。前提を比べれば無意味な推測とは分かっている。それでも一片のもしかしてが胸の内を離れない。 #違和感の殺し方 #殺害失敗。
文字の温度を触れ、反応の触覚をにぎれ。君が見えないふりするというのなら僕は全力でベルをならそう。目障りだと他所向かれても喧しいと切られても、大きくなるのを傍観するよりずっとずっと楽なんだ。手段を誤っても目的がずれて違っても、その結果なにがなくなっても。 #違和感の殺し方 #騒殺
真っ直ぐに渡せていないままでも、あなたにぼくは通じていますか。聞き流してくれてていいけれど、それならわかったふりはしないで。伸ばした手を寄せて膝を抱え、いない誰かを丸めたコートで埋めて、気管を弾けて詰める違和感に見ないふりをした。 #違和感の殺し方 #黙殺

#冬の衝動 12.11.3
笑顔もハグも無防備も、あなただから見せるんだよ。弱音も傷も相談も、あなただから晒すんだよ。あなたは他に一番を持ってるね。一番の拠り所と、一番の衝動。私はあなたにとって代替可能でしょう?だからちゃんと、重くなったら切り捨てて。信じてるから縋るんだよ。 #冬の衝動 11/2お題:信頼
白い息にはしゃぐ私を恥ずかしそうに、でも止めないで見てたことだとか。自分のほうがずっと寒そうな格好をしてたのに気遣ってくれたことだとか。だいじょうぶ、まだ憶えているよ。それはまだ憶えているよ。でもとっさに浮かぶ表情は、さいごにみたきみのかおなんだ。 #冬の衝動 11/1お題:忘却

#おかしちょうだい 12.10.31
お菓子ひとつぶくれないのなら おまえの福をとってくぞ #Halloween75 #黒猫 #おかしちょうだい @ruo129

あそぼう!あそぼう!
悪戯好きの妖精が一晩だけと右手を引いた。
うそなんか言わないよ。月が沈んだら返してあげる。
絵筆でちょちょいと模様を描けばメルヘンの住人に仲間入りさ!
踊ろうよ僕らと一緒に、夜が描かれたページの中でさ。
#おかしちょうだい @noa70s

#Y3C 12.8.26
色は光が化けるもので、化かすものは受容器だ。本質が何であれ、観察者がなければ無色でしかない。庇えば覆えば変質は防げよう。しかし抱え込んだそれの色は、目の記憶から褪せてないかい。劣化を恐れて変質させる前に今一度の把握を。光に晒して励起をさせて、その色彩をさらけ出して。 #Y3C
ない振りで滑らかに、作られた完璧を提示する。傷ひとつない緑色は徹底的に曇り、結果ひかりを跳ね返して淡く輝いてさえ見える。中間の周波数が弾かれて両端も散らされる。見通せない緑の奥に存在するはずの核は白か黒か、それとも色すら持たないか。 #Y3C
パラダイムの核を庇ってゆるくかたく広がる境界。ほころびを探してやわらかに添い、撫ぜる手のひらで体温を奪う。剥がした皮膚に携えるは突き刺す黄色。真綿のハンケチでくるむから、どうか見えないふりをして。 #Y3C

#8poem 12.6.5~8
青色のメッキがちらちら剥がれ落ちて赤みが雑じった紫が覗く。気付かないふりで詠い続ける君を背中から抱き込んで、殻のないそこをすいと撫ぜれば流れる言葉が停止する。表情は見ないまま、強張った背には知らないふりして天使の輪に唇を落とした。 #8poem 「空」から「口付け」へ
赦してもらうということは、罪をいや増すことである。
罪は償うべきである。罰で贖うべきである。
赦されるべきは罰のみであり、罪の行いそれではない。
過去を隠して傷を蔽い、全て忘れたように振舞う、それこそが
#8poem 「清算」から「大罪」へ

いっこだけ参加

#独占欲の殺し方 13.7.13
かわいそうなからっぽは泥の嘘を詰められて埋められてしまった。その本質なんてわたしは見たくないけれど、剥き出しの粘膜に擦り込まれるそれをきみが幸福と呼ぶのなら、もはや止めはしないよ。 #独占欲の殺し方 #拒絶 最後の一言だけは、しまっておいてあげる。

#恋とこいの違い 13.5.25
愛に渇くのが恋。
陸で乾くのが鯉。

#診断童話 13.5.15
ジョバンニは親友を連れ戻すため、とっときの切符を握って列車に乗りました。しかしオオカミの車掌が悪だくみをして、彼の寝てる間に切符を盗んでしまいました。目が覚めて掌の中、大切に握っていた切符がないことに気付いたジョンバニは、駅員の少年に連れられ元の駅に帰されたのでした。
「オオカミとジョバンニ」というタイトルで悲劇的な童話を書いてください。今すぐ #診断童話 http://shindanmaker.com/348532

#春の欠落 13.4.30
だいじにだいじにしすぎたその季節は手放すことなど考えられずにいて。ずっとだいじに抱きしめていたそれを、けれどあるときとん、とはなしてしまった。まとわりつく夏に干されても、重苦しい冬に負われても、手放したその軽さに気がついてしまったのだ。 #春の欠落

#君の桜 13.3.10
桜の花にも蜜があるんだよ。濃桃色を探して地面を眺める僕に彼女はそう言って、頭上に手を伸ばし、一輪の白桃色を摘み取った。おしべを抜き取りめしべを折り、はい、と弾む声で差し出すそれを受け取る以外に術はなく。噛み締めた傷から溢れた苦味と強い香、一瞬の甘味は脳を焼くようだった。 #君の桜

#既視感の殺し方 13.3.6
景色と音と手触りと。気が付かないまで見つめて触ったかつて馴染んだ壁の色。コンティニュードの機会はないから一度きりを試すよりない。壊してみようか溶かしてみようかあえてそのまま寄りかかろうか。それとも、目を潰して耳を塞いで、掌を焼いて壁を断絶してしまおうか。 #既視感の殺し方 #夢死

#冬の亡骸 13.2.13
ちいさなちいさなメアリー・スー。健やかに幸せに育てるよりも、経験と歳月から作り上げた透明なきみを住まわせてしまうほうが簡単だけど。それでもやっぱりぼくは、この子をちゃんと幸せにしてあげることを、お話を描き出してきちりと見届けてやることを諦めきれないんだ。 #冬の亡骸 (透明)

#雪の降らなかった日 13.2.10
白い花びらも灰のカーテンもどこかに消え、見上げた空は一面の蒼い青。革の手袋もお気に入りの長靴も使えないけれど、白い息を吐いて紺のコートを纏って、遊ぼうって言いに行くんだ。 #雪の降らなかった日

#死の商店街 13.1.24
重火器しか売っていないクリーニング屋さん #死の商店街 http://t.co/nbSisK2q 榴弾砲カノン砲、対空ミサイル。カタログにある品はみな、威力も精度も一級品。販売の他、レンタルや手入れなども扱っているという。契約書に必ず添えられる一言は、「あなたの敵地を真っ新に」

13.1.14
大人というのは皆、本に出てくる人間と同じなのだと思っていた。大人になれば目だけで意識の疎通を済ませ、右手の一振りで難しい言葉の文章を生み出せると信じていた。言葉を尽くしても分かり合えぬとは、自分の道ですら迷うとは、まさか自分たちと同じだとは、考えもしなかった。 #twnvday

#冬の邂逅 12.12.7
名産の果物、地方限定のお菓子、少し珍しいお酒。僕の土産やプレゼントが全て残らないものだったこと、君は気付いていたかな。だからこれが最初で最後、このアメシストを君にあげる。どうかこの暗紫色が君の傷を抉り続けるよう、僕が君の傷になるよう、身勝手に祈ろうか。 #冬の邂逅

#IJINsの戯れ 12.10.23
あなたからの告白に、大好きだよと微笑んだ。私が持つせいいっぱいの感情をあげる、その決意で抱き付いた。だけど、でも、ごめんなさい。あなたが見ているその好きはきっと嘘です。あなたの欲しい好きは、きっと私のこれとは違うわ。

#pw10 12.10.10
取り込んだ過剰を追い出すための水。と涙。いらない、いらないと駄々をこねて吐き出した。消しきれないプラスと必要のなかったマイナスを溜め込んで、椅子のうえひとり片膝を抱き込む。これよりもうプラスもマイナスも欲しくないの。何もないまっさらなCをひとくち。 (おいしい水を5) #pw10

12.9.8
百合は猫にとって猛毒であり、花粉を舐めただけでも死に至る。腎臓を潰し視力を殺し、手を握ることすら許さない劇薬。彼は何も知らなかった。彼はただ、唯一の友に笑ってほしかっただけなのだ。 RT @harasaraha 寂しいよ、寂しいよと泣く鬼の子のちいさな右手に白百合の茎 #超深読み

#虹色ポエム 12.9.1
小河に撃ち込まれた色砂は溜まり溶かされ渦を巻く。色の境で相互干渉、ゆるやかにどす黒く混ざり合った。着々と純度を落とす水面はいつか光を跳ね返すだろう。減法と加法が切り替わり、浮かび上がるは鮮やかに白。

#r_poem 12.8.10
澱み濁った幸せの記憶。掠れてなお残る温度に縋りかさぶたを剥がし続ける。無数の傷で曇るビー玉を埃まみれの光に透かせば白が死んで七色が散った。一際大きく刺さった罅が龍を孕んで閉じ込もる。震える虹の頭を撫ぜて卵殻ごと叩き割る。黒に溶けた紺色の奥、赤い色素が浮んではぜた。 #r_poem

#IJINsjewel 12.8.2
ぼくのちいさな箱庭に街で染められた空を収めたかった。
あの不動で気紛れな瞬きはここにどんなにか映えるだろう。
星空に手を伸ばす様はなんて愚かときらきら笑う。
諦めきれず滲んだ視界で掴んだのは
紫金石

題詠みたんか7(~'21.5.31)

お題サイト様で詠んだ短歌たち。
切りよく5月末まで入れたいですね

満開で首から落ちた芍薬の残り香ばかり抱きしめている
2021年05月31日『芍薬

額縁の向こうで鳥が線を引く四角く切り取られた青い空
2021年05月28日『空』

呼ぶ声は記憶の奥に撫でる手の感触がもう遠くなっても
2021年05月27日『呼』

あの頃に撮った写真だ僕たちが未来を疑わないでいた頃
2021年05月26日『撮』

海をゆく蝶の群れたち羽ばたきは地球の裏で嵐となるか
2021年05月24日『バタフライ』

制服のポッケで寝てるナイフだけ味方だ今日も世界は敵で
2021年05月22日『敵』

指先がふれた箇所から熱を持つ首筋、頬、顎、唇、もっと
2021年05月21日『肌』

一本のマッチと紫煙また少しごまかしている夢のない日々
2021年05月20日『夢』

ゴミのように過去を放ったあとで君がそっと拾ってくれていたから
2021年05月19日『ゴミ』

木漏れ日を見たことはないけどきっと君の声みたいな色だろう
2021年05月18日『木漏れ日』

部活後のミックスサンド9月からツナを分けっこすることでしょう
2021年05月17日『サンドウィッチ』

煤煙を遠くに見やるぱちぱちと広がっていく隣のほのお
2021年05月14日『煤』

毎日を人と過ごして僕達は『今ヒマ?』『お風呂』繋がっている
2021年05月13日『お風呂で ◯◯ した話』

ブレーキはないと知っててアクセルをめいっぱい踏む 負ければ地獄
2021年05月12日『地獄』

散る花が人から守る見上げない枝でのびのびひかるみどり葉
2021年05月11日『初夏』

海を見に羽ばたく蝶を見送ったかつて満開だった木の枝
2021年05月10日『自由詠』

君だけが呼ぶための名だ今はもう誰も知らない死んだ音たち
2021年05月09日『名』

コーヒーに誘われたふりサイフォンに優しくふれる指が見たくて
2021年05月08日『カフェ』

はじまりの約束ぼくらお互いの弔辞を書こう 動かないペン
2021年05月07日『葬』

思い出はタバコの香り生ぬるい唇越しにノックする舌
2021年05月06日『思』

うつくしい悪魔のような人でした内にこわがる少年を飼う
2021年05月05日『男』

有能な《この言葉は検閲されました》(くそやろう)より人想う凡庸が取る舵がいいなあ
2021年05月03日『国』

はたらけどはたらけどなお道はなし回し車をカラカラ走る
2021年04月28日『働』

一本のマッチのようなひとだった付けられた火は今も消えずに
2021年04月27日『火』

正しいと言って言われて僕たちは鼓動の弱る音を聞いてる
2021年04月26日『正』

愛してるともきけなくて印鑑を転がしている昔の姓の
2021年04月12日『印』

一本を足せや引けやと言われてもこのご時世だ繋ぐ手もなし
2021年04月05日『辛』

陽光でちらちら光るちりたちで花見を済ます白い個室で
2021年04月02日『光』

日記にはできたことだけ書かれてて隅でしょんぼりする紙おむつ
2021年04月01日『記』

七羽目のカラスを縊る朝刊を運ぶバイクに手は出せないし
2021年03月31日『七』

つま先に残るペディキュア最後まで誰も知らない秘密のままで
2021年02月16日『爪』

練乳をたらたら掛ける素のままで好きと言われたことはないもの
2021年02月15日『苺』

キティちゃんは真衣のよママが言ったのに「おねえちゃんでしょ」信じてたのに
2021年02月10日『好きな食器』

空をとぶために融けたの雪のした枯れ色のまま蛹はひとり
2021年02月09日『蛹』

姿見の前でひと塗りして笑顔きょうもよるまでもちますように
2021年02月07日『塗』

モンゴルの残り香を吸う黒い目に砂漠を映すプレリードッグ
2021年02月05日『モンゴル』

幸せにいきているかい雪だるまマフラー 帽子を分けてもらって
2021年02月04日『雪だるま』

仕事だからずっと笑っていましたねあのとき怒ってよかったんだよ
2021年02月02日『〜拝啓 二十五の君へ〜』

踏まれても踏まれてもなお天を見るもちろん枯れるタンポポもいる
2021年02月01日『踏』

もう二度と撮れない写真を胸に抱き空まで飛んで行けタケコプター
2021年01月31日『竹』

コロッケは買うほうが楽じぶじぶと鍋から囁いてくる悪魔
2021年01月29日『コロッケ』

咲く前に身を引くことを決めたのにブロッコリーを茹でられずいる
2021年01月28日『ブロッコリー

来し方を振り返りまた石を積むまた崩されるまた諦める
2021年01月27日『来』

ストローはため息をつく細長い音に合わせてあぶくが踊る
2021年01月26日『ストロー』

理系でも現文は良い片恋を気の迷いだと言わせないため
2021年01月25日『現』

鈴の音で鳴いた仔猫が大寺の鐘に劣らぬまで育ちきり
2021年01月24日『鈴』

エビチリの代わりになれるモモ肉を食べてるみたいわたしはわたし
2021年01月22日『鶏肉』

整った身ではないから百年をかけて自分に調えてゆく
2021年01月21日『整』

生けられた白百合の葯はずしつつしまいそびれた振袖を干す
2021年01月20日『百合』

あれもそれもダメな世の中桃尻の幼児を胸に住まわせマスク
2021年01月19日『駄目』

妹と呼んだ仔猫は早々とおとなに母に骨になりゆく
2021年01月18日『先輩』

づけ汁を刺身がおよぐ日々濁る本音を情でごまかしながら
2021年01月16日『刺身』

かつかつと毛を吐く猫の背をなでる好きも言えない恋をしている
2021年01月15日『吐』

行き先も知らないでいた振り返り振り返りする背中だけ見て
2021年01月14日『背』

ラーメンにコーンとライス部活後の記憶の味が腹に重たく
2021年01月13日『麺』

異文化は尊重したい挨拶を待ってる犬の尻をただ見る
2021年01月12日『尻』

おかあさん凧じょうずだね 手をつなぐコツと似てるんですよ君との
2021年01月11日『凧』

海よりも空よりも青きゅうくつに車窓に並ぶ無人ビル街
2021年01月10日『自由詠』

誰何する音も懐かしく初恋をゆり起こされる同窓会だ
2021年01月08日『誰』

首の根を晒して落ちる紅椿おまえも夢を抱いていたのか
2021年01月07日『椿』

三年もひとりとひとり夕飯にドレッシングをどぼどぼかける
2021年01月06日『ドレッシング』

春夏に買った便箋宛先を思い浮かべてほこりが積もる
2021年01月05日『便』

羊にも山羊にもなれず白鳥は今日もひづめに憧れている
2021年01月03日『山羊』

まだ若いまだ若いからと言い聞かせ見通し立たぬ三十の夜
2021年01月02日『三』

かすがいに依存している両親に腕を引かれる子のおどけ顔
2020年10月14日『依存』

童謡を歌う子どもに「さざんかって知ってる?」「知らない。ママは?」「ママもよ」
2020年10月09日『山茶花

蝶番(ちょうばん)になりたい夜だ軋む身で文句くらいは言わせてほしい
2020年10月07日『番』

金曜はレトルトだって土曜日は外食だって誰も死なない
2020年10月06日『って』

厚焼きの玉子のしっぽ遠足の朝に必ず食べてた父は
2020年10月03日『厚』

トライアンドエラーの日々だ今夜こそ攻略したい背中スイッチ
2020年10月02日『エラー』

なるようになるの祈りを抱えつつじわじわ下る道をゆく年
2020年10月01日『なるようになる』

僕たちはしょせん動物でしかなくだからいじめも恋も止まない
2020年09月30日『哺乳類』

白黒の画面で踊るマドンナの名前は今も色鮮やかに
2020年09月29日『古い映画』

大空を見つめさえずる文鳥が焦がれる外は部屋と手の中
2020年09月28日『鳥』

たっぷりの砂糖シナモンレモン汁マザーグースを歌いつつ煮る
2020年09月24日『ジャム』

ゼロイチを螺鈿で刻むいつか僕の骨を燃やしてダイヤにしたい
2020年09月23日『螺』

変人として距離を置く本当の自分を見せる気がないもので
2020年09月19日『変』

ややこしや、口ずさみつつ3時間揺らしてやっとやや子は眠る
2020年09月18日『ややこし』

白米と玉子しょう油黄金比教えてくれた人はもうなく
2020年09月17日『黄金』

寄る辺なくただよっているメンマにも海苔にも箸で遠ざけられて
2020年09月16日『辺』

残り香はまろいばかりでバージンの肺が欲しがっているキスの味
2020年09月15日『煙草』

水滴を溜めたグレーの決壊はもうすぐだから泣くなそれまで
2020年09月14日『決』

怒ってる人の顔だと思ってた記号に熱と音がついた日
2020年09月11日『火』

縛られず自由であれの命を受けごぉしちごぉと数える僕ら
2020年09月10日『自由詠』

からからを欲しいと泣く子ばあちゃんがお口にしまう白いからから
2020年09月09日『から』

もう寝てる腕に頭を押し付ける心臓の音 猫になりたい
2020年09月08日『頭突き』

「朝ごはん「いらない!」冷蔵庫にしまう「あとでたべたかったのに!!!!」の乱
2020年09月07日『乱』

早起きに早飯早風呂早化粧せめて早寝をしたいよ母は
2020年09月06日『「早」で始まる造語』

棚の下傘立ての奥節分のへそくりたちがまだ守ってる
2020年09月04日『豆』

シオカラをオニヤンマだとはしゃぐ子に優しい嘘をつく虫ハカセ
2020年09月03日『トンボ』

しゃりしゃりと剥かれた皮はうさぎにもバラにもなれず捨てられていく
2020年09月02日『梨』

青空が真っ逆さまに落ちてくる 鉄のベッドと窓のない部屋
2020年09月01日『落』

流星に振る細い手がしわくちゃになるまで道を照らしてあげて
2020年08月31日『流星』

フロートの頭を飾るどうせまた脇に置かれる諦め顔で
2020年08月28日『ミント』

残ってた回数券で実家から祖父の家まで運ばれてゆく
朝月 心 0 音 3
2020年08月27日『回』

ママみててビームが出るよ縁側に点々と散るスイカの種は
2020年08月26日『種』

沖縄の菓子を喜び買う子らを眺める丸いドーナツふたつ
2020年08月25日『ちんこ』

焼畑を繰り返してる恋でした速く育てど実にはなれない
2020年08月24日『畑』

ひとつずつ積み上げていく鬼が来てまた壊されるだけの仕事を
2020年08月21日『コツコツ』

側溝にポイ捨てされる運命と知ってて今日もおはようの声
2020年08月19日『溝』

白檀の香りがみちる新盆に孫が持ち込むミルキーの味
2020年08月18日『線香』

幸運のシロツメクサは踏みつけにされた茎から芽を出し開く
2020年08月17日『根性』

平和とは見えぬ敗者を産むことだサブレの鳩の頭をかじる
2020年08月15日『平和』

題詠みたんか6(~'20.8.13)

放牧とうそぶいているただいまはもう聞けないのちゃんと知ってて
2020年08月13日『放』

友だちを追い越し伸びる白雲は折れてようやく仲間になれる
2020年08月12日『入道雲

ゆっくりと肌を這う手の熱量であばかれていく知らないわたし
2020年08月11日『?』

持たされた水筒だけは守れたねカナと呼ばれてヒグラシの声
2020年08月07日『暮』

柵を跳ぶ羊を呼んでお茶会を開くひっそり貘が来るまで
2020年08月06日『眠れない夜の対処法』

一晩の娯楽のはずが誤算からずるずる続く濃厚カレー
2020年08月05日『誤』

愛されて育つトマトは背も高く子作りはまだする気になれず
2020年08月04日『トマト』

ブラウスのベールをかぶりひそやかに息する鎖骨の影をみている
2020年08月03日『骨』

手遊びでパンツパンツと笑ってた君はいつから褌なのか
2020年08月02日『パンツ』

紫陽花を一輪つんで笹舟は子どもの熱い手をはなれ行く
2020年07月30日『笹』

ほんのりと甘い麦茶はカロリーと家族のための愛情だった
2020年07月29日『麦茶』

黒髪のロング清楚なワンピース売りたい層に合わせて飾る
2020年07月28日『スイーツ』

指先の白さだったり校庭を見下ろしている横顔だったり
2020年07月27日『たり』

数独はこんなに得意にんげんをやっていくのは上手くないけど
2020年07月22日『独』

ワレワレハウチュウジンダゾ学校に行かなくていい ねえ扇風機
2020年07月21日『プロペラ』

ゆっくりと大人になれよアサガオの蕾に声をかけている孫
2020年07月20日『大』

杯をひっくり返して何千回水面におよぐ生命をみる
2020年07月17日『2300杯目に起こった奇跡』

青空が落ちてきた日を思い出すぬるいベッドと窓のない部屋
2020年07月16日『青』

ひとつふたつ解散してく子どもらの群れを見送る夕映えの園
2020年07月15日『映』

ただしさもやらねばならぬも脱ぎ捨てて枝に作ったいかだで眠る
2020年07月14日『ジャングル』

ふたつずつタピオカを吸う放課後の3人 いつものふたりとひとり
2020年07月13日『タピオカ』

型にはまる生き方だってまた自由三十一字も銀の指輪も
2020年07月10日『自由詠』

右左もう一度みぎ指示を出す自称ただしいかみさまとやら
2020年07月09日『左』

さいごまで気づかなかった君の淹れるコーヒーだから好きだったこと
2020年07月08日『好』

初めてのおかずも余らなかったのにレシピも覚え書きもふたりぶん
2020年07月07日『余』

ぱちぱちと喉をくすぐり隠しごとはきだしちゃえと唆される
2020年07月06日『炭酸』

耳のおく夢をみている巻き貝がざざん、ざざざん、窓ごしの雨
2020年07月03日『波』

ゆっくりと紅茶を淹れるたっぷりのほうが美味しいから2人ぶん
2020年07月02日『ティー

新宿も渋谷も忘れている夏だ膝丈ほどのひまわりが咲く
2020年07月01日『夏』

折半をさせられてきたお年玉お菓子洋服人形あの子
2020年06月30日『折』

火曜日の午後4時サッカー部のない日約束してるわけじゃないけど
2020年06月29日『ベンチ』

柵を越えた一万匹目の仔羊がカーテン越しの朝日にとける
2020年06月28日『不眠症

じゅっぷんを数えて眠る夕立ちも子どもの声も遠くに置いて
2020年06月27日『分』

数行を万年筆で書き足して今日もLINEの通知はこない
2020年06月26日『筆』

流水に晒されているそうめんは締まり心も冷ややかになる
2020年06月25日『流』

秒針を飲み込むように生きているあと100周で3時20分
2020年06月23日『秒』

先輩とチーフと妻と母親の仮面を外し素顔の仮面
2020年06月22日『面』

同胞はまたひとり去りゆっくりとくたびれてゆく私のように
2020年06月19日『バナナ』

ナナホシを背負って生きる七十で足りぬ命を糧としながら
2020年06月18日『てんとう虫』

日も落ちて夕焼け色のフレームをかけた横顔ぬすみ見て夜
2020年06月17日『夕』

前髪を掴んで引いたまさかその、抜けるとは思わなkごめん
2020年06月16日『チャンス』

不可能なゴールへ進む不誠実となじられる理不尽な未来へ
2020年06月15日『不』

虎の子の10万円は父の手に渡り箪笥の肥やしとなった
2020年06月12日『箪笥』

借りもののピンクで飾り大群の威を借りやっとふえる鳥たち
2020年06月11日『フラミンゴ』

縛られてフロウとライム地下街の舞台の上で自由を歌う
2020年06月09日『FREE』

あなたばかね紅に香水つけたまま優しい夫の振りしてるのね
2020年06月08日『演歌の歌詞みたいな短歌』

言いさしをそのままにして戸を閉める夜にはこじれていると知ってて
2020年06月04日『言』

かみさまもかなしいのかな赤い目の娘がぽつり 麦茶をすする
2020年06月03日『水無月

遅咲きのツツジの蜜を吸う虫よお前もひとりで生きていくのか
2020年05月25日『蚊』

一昨日と同じ昨日と同じ今日 明日も同じと信じられること
2020年05月15日『ラッキー』

ばさばさとビニールがなく5年ものの思い出なんか食わせてごめん
2020年05月11日『擬音』

Zoom越しの「ばあちゃん」を聞く前に見たときはふにゃふにゃだった赤子の
2020年05月09日『育』

出立は明日の8時だもう着ないセーラー服にカバーを掛ける
2020年03月23日『出』

大空は天井もない壁もない穏やかに死ぬ自由もないが
2020年03月22日『空』

四月から東京へ行く ヒマ?なんて君を呼び出せるのも今だけ
2020年03月20日『今』

息子らが家を出てからご無沙汰の天ぷら蕎麦を今年は5杯
2019年12月31日『蕎麦』

おやすみと通話を切ったそういえばまた明日ねと言われなかった
2019年12月29日『死』

まん丸のチーズを齧るほんとはさトマトと一緒になりたかったね
2019年12月28日『円』

お湯張りをします ご飯が炊けました 機械の声をなぞってひとり
2019年12月20日『寂』

どうせまた読まないでしょう冷え切った作り笑顔と皮肉の空気
2019年12月13日『伏せ字』

一歩ずつ足を進める僕たちを回し車がからから笑う
2019年12月12日『進』

蒸し焼きになるまで籠るのぼせてもどうせあなたの声は冷たい
2019年12月11日『サウナ』

大空が自由に見えるしあわせを知らないねえとツバメが笑う
2019年12月10日『自由詠』

ありがとう元気になった にこやかに礼を言います使い切ります
2019年12月09日『元気』

鍵付きの日記を開く書き込んだペンは気持ちと一緒に捨てる
2019年12月04日『ペン』

うそつきの赤いほっぺた見上げてる折りたたみ傘カバンの底で
2019年11月29日『中』

白線を落ちたら地獄おさなごの遊びみたいな恋をしている
2019年11月26日『落』

ゴキゲンでにこにこしてて穏やかで無垢で無害で都合の良い子
2019年11月25日『可愛い』

切れもせずたなびく袋細長い金魚のふんは未練がましく
2019年11月24日『糞』

円陣を組んで掛けごえ体重の全くかかっていない右肩
2019年11月20日『繋』

カフェインを捨てさせられたコーヒーを私のためじゃなく選ぶ 飲む
2019年11月16日『コーヒー』

どっちかを選べる権利パパとママどっちも選んじゃだめなんだって
2019年11月14日『権』

きっと僕が一番長い友達でそのこと以外なにもしらない
2019年11月13日『識』

誰よりも笑顔をくれる姿見に映った私 がっこうやだな
2019年11月09日『鏡』

家じゅうの結露を拭いた今日だけは僕と一緒に泣いてくれるか
2019年11月05日『住』

この台も俺に似てくる真っ黒な穴に落ちてくだけの無駄玉
2019年10月29日『パチンコ』

Eテレをひとりで見てる平日に頭を撫でた手のひらがある
2019年10月26日『いる』

アリクイは怖がっている顎を上げ半分下りた瞼の奥で
2019年10月03日『顎』

赤くないルビーのことよ黒髪でちょっとつり目で声が低くて
2019年09月02日『サファイア

コーヒーと蜂蜜むかし教わったレシピじゃ母の味には足りない
2019年08月14日『カレー』

丑の日と囃し立てられドードーの後に続けと追い込まれてる
2019年08月13日『鰻』

叫んでも届かないから明け方のシーツの熱を確かめている
2019年08月03日『叫』

縁側にカルピスひとりセミ捕りに行ったぼうやを待ちわびている
2019年08月01日『汗』

黒みつときな粉をかけるところてんよお前も知らぬ顔をするのか
2019年07月31日『心太』

ゆっくりと綻んでゆく朝顔のはじらう色を確かめている
2019年07月28日『覗』

われわれはうちゅうじんだと笑う声この子もいつか父になるのだ
2019年07月21日『扇風機』

けんちゃんを知っていますか交差点で頭を垂れるヒマワリに訊く
2019年07月12日『待』

長男と三男が押す団子でも挟まれっ子は気苦労がある
2019年07月08日『真ん中』

ゆりかごを夢見て散った人間のはんぶんたちをティッシュでぬぐう
2019年07月02日『育』

クリスマスケーキだったらくさってる歳だ今夜もチューハイを飲む
2019年06月28日『完全数

封をして無いことにする思い出の箱に埋もれて寝る場所もない
2019年06月23日『箱』

ミルキーを鞄に入れる初恋の顔はとっくに思い出せない
2019年06月22日『ずっと』

たんたんと挨拶をする昨晩のケンカは胸の奥にしまって
2019年06月12日『凪』

身動きもとれない電車緊密にひとりとひとりが集まっている
2019年06月05日『寂』

思うほどおいしくなくて弟の皿から取ったイチゴを戻す
2019年06月03日『思』

残り物の頭をかじるカスタードだって愛している人がいる
2019年05月28日『残』

人生を乗り越えなくちゃ点数もわからないまま明日も笑顔
2019年05月27日『テスト』

親子丼に一味をかける思春期の娘 そういうところも同じ
2019年05月25日『丼』

すり鉢で丁寧に擂る胡麻の香に恨みつらみをよく練りこんで
2019年05月21日『丁寧』

改札で分かれて歩く暗闇で思い出す貴方が一番好きだ
2019年05月20日『省』

題詠みたんか5(~'19.5.17)

ひとが皆アリのようだと強がって見ているこども保健室の窓
2019年05月17日『窓』

胸のリボン高校生の思い出を娘のくるみボタンに託す
2019年05月14日『ボタン』

いつか言うつもりだったんだ快晴が白い目で見る喪服の僕を
2019年05月13日『いつか』

七日だけ恋をさせてよ麦わらで編まれた籠で蛍がひかる
2019年05月11日『恋』

タンポポの綿毛を飛ばす花びらで好きを占う季節は過ぎた
2019年05月07日『吹』

着けてるし一度だけだし今日もまた罪を重ねる口実にする
2019年05月06日『コンドーム』

アオハルと読むらしいですイマノコはひとりのんびり訓読みをする
2019年05月05日『青春』

確(しっか)りと小指を握る紅葉の手わたしはきみに生かされている
2019年05月04日『確』

大粒の真珠を着ける少しずつ開いた距離を今日もごまかし
2019年05月03日『遠近法』

完璧な家族を目指す僕達は週に一度は他人に戻る
2019年04月28日『完』

寝る前の30分を繰り越して今使いたい 1分でいい
2019年04月23日『分』

一歩ずつ進むしかない飛車角になれはしないし成れば金だし
2019年04月22日『歩』

冷蔵庫の奥でキャベツの千切りとやせたもやしの恋が始まる
2019年04月19日『箱』

赤い目の娘に四つ葉を探されて困った顔をしてるカタバミ
2019年04月17日『クローバー』

表札のコケを拭き取る明日から使わなくなるSATOHの白さ
2019年04月16日『苔』

花の芽に水をやるよう毎日の笑顔にありったけの好意を
2019年04月15日『苗』

しわくちゃのシャツも光るおでこだって今はすっかり可愛いところ
2019年04月14日『慣』

行き先も知らずに落ちる青空も青い海をも知らぬ雨粒
2019年04月10日『自由詠』

詰まる喉で涙を殺すもう見せる人はいないしハンカチもない
2019年04月09日『涙』

アスファルト割って芽生えるタンポポのような懸想を育てひと月
2019年04月05日『芽』

少年よ大志を抱け銅像は語る勇気が欲しい者にだけ
2019年04月04日『志』

欠けもせず花ごと落ちている桜おまえも椿に憧れたのか
2019年04月03日『首』

春風のせーので開く桜たち置いていかれたつぼみがふたつ
2019年04月02日『号』

春の陽に溶かされていくひと時の夢を抱えていた二文字たち
2019年04月01日『令和』

ザリガニを小枝でつつく勝ち負けを考えもせず振り上げる爪
2019年03月28日『池』

空を飛ぶ鳥というなよこのままじゃ帰る場所さえ探せなくなる
2019年03月25日『自由詠』

昨日まで友だちだったタンポポが他人みたいな顔する四月
2019年03月22日『花』

歳月に傷つく前の僕たちをまっすぐ見られずビールを呷る
2019年03月05日『1800カラットのダイヤと同じ美しさ』

こわごわと握り返した左手を離せば空もモノクロだ また
2019年03月04日『恐』

昨日まで笑ってくれたタンポポも他人のフリをする夜明け前
2019年02月28日『町』

夕焼けを見上げてひとり夢でさえなくした色を思い出せない
2019年02月27日『さえ』

リモコンを押す気軽さで心ごと過去に未来に飛ばされている
2019年02月19日『リモコン』

ひとが皆けもののように生と死と愛だけ知っていればいいのに
2019年02月03日『獣』

人も犬も雪を見るなか梅だけが春を見つけてよろこんでいる
2019年02月01日『如月』

髪も肌も子どものようを目指すのに泣くことは何故だめなのかしら
2019年01月26日『髪』

チョコレート レーズンバター ウイスキーに油が合うと知る人と飲む
2019年01月24日『油』

先生に見えないように昼休みぼくを励ます布のピカチュウ
2019年01月20日『小学校』

今日もただ努めて眠る生きるとは食べて寝ること起きて泣くこと
2019年01月19日『努』

思い出の整理という名の並び替え断捨離にはまだ生々しくて
2019年01月12日『まだ』

大仏の笑みとはつまりこわいって言われてたのか鎌倉で知る
2019年01月09日『大仏』

せりなずな、歌う娘は道端のぺんぺん草に首を傾げる
2019年01月07日『春の七草

段々と積み上げて来た関係のてっぺんに見えたのは断崖
2019年01月06日『段々』

靴ずれがおきないように灰に残る足跡測る知らない老婆
2019年01月04日『シンデレラ』

アパートで峠を越した風邪だとも言えないLINEで繋がる家族
2018年12月31日『越』

黒ければ人に疎まれ白ければ群れに疎まれ泣くはぐれ鳥
2018年12月28日『カラス』

薔薇園に城を構える女郎蜘蛛の腹ばかり見て膨らむ蕾
2018年12月27日『蜘蛛』

明日には捨てられること知っていて花のふりするポインセチア
2018年12月20日『赤』

赤い糸を編み終えるまで考えること許しますあの人のこと
2018年12月18日『毛糸』

指編みのマフラー きっと僕よりも君の手のこと知ってるのだろう
2018年12月02日『マフラー』

牛丼のメニューみたいだアピールをするなら手軽で安いことだけ
2018年11月29日『並』

半月と一緒に聞いた鐘の音明日からまた機械に戻る
2018年11月26日『17時01分』

行き先を知ればからだは竦むから足元だけを見ながら歩く
2018年11月22日『将来』

公園で知らぬ子どもとだいじょうぶ?大丈夫ってやりとりをする
2018年11月21日『大丈夫』

流行らない交換ノートを続けてる私と1週間後の私
2018年11月20日『ノート』

外された第二ボタンもひねくれた1タス1も愛おしかった
2018年11月19日『田』

平凡に生きていたいね一戸建て子供は2人だった世界で
2018年11月18日『凡』

飽きるほど日だまりにいるサボテンは野良のミイ子の恋も知ってる
2018年11月17日『飽』

秋寒を窓の向こうに置きふたり毛布の下で最高気温
2018年11月16日『最』

ゆっくりと布団を叩く太陽の熱が驚き逃げないように
2018年11月15日『叩』

結婚し名前も変えたあの人の面影だけを残す番組
2018年11月13日『忘れられない人』

腰痛にうめくじいじの馬の背でもっとと笑う孫の無邪気さ
2018年11月11日『もっと』

象を呑んだ蛇を見る目は失われいい帽子だと褒める大人ら
2018年11月08日『蛇』

親指のつけ根の線をゆっくりとなぞるあなたは置いていかない
2018年11月07日『占』

ぱちぱちと拍手の音は軽やかに真っ赤に燃える靴履き踊る
2018年11月05日『踊』

誰にでもおんなじ I のはずなのに君へのメールだけ俺になる
2018年11月03日『英文』

ありのままじゃ生きていけずに今日もまた上に貼られる割引き価格
2018年11月02日『価』

さそり座の女を歌う今日もまたいて座ですとは言い出せないで
2018年11月01日『蠍』

言い訳を探して歩く寒いだけ手が冷えるだけ繋いだ右手
2018年10月30日『だけ』

背を撫でて欲しがってるのは僕じゃない冷えきった手に熱を届ける
2018年10月29日『愛撫』

夢 未来 何でもつかめ今はただ乳房をつかむちいさなもみじ
2018年10月28日『可能性』

もう丈も短いけれど捨てられず出してはしまう手編みセーター
2018年10月26日『しまう』

言わなけりゃよかった恋を口にして今朝も「ごめん」を目覚ましにする
2018年10月25日『見た夢を歌にする』

階段で弾む足音勝つときはグリコを選ぶパパのやさしさ
2018年10月22日『じゃんけん』

化粧品の気難しさもまだ知らぬ真っ赤な紅を纏う唇
2018年10月21日『唇』

愛し子の黒髪を梳く蓬莱の枝も燕の貝も隠して
2018年10月20日『枝』

小指だけ真っ赤に塗ったマニキュアと今日も社会をやり過ごします
2018年10月17日『指』

牛乳に浸した苺スプーンで潰したらまた朝に備える
2018年10月16日『潰』

体脂肪率一桁と知っててもでぶと思われてる気がするなあ
2018年10月13日『豚』

幼な子も知っているのよ笑うこと何も知らないふりをすること
2018年10月12日『幼』

自由ほど愛嬌のいるものはないしゃなりと歩く黒い野良猫
2018年10月10日『自由詠』

雨の日に痛み出す喉 二年前言えずに飲んだ言葉の欠片
2018年10月09日『喉』

たっくんとけっこんするの 許嫁なんて知らない子供が笑う
2018年10月08日『許』

吉兆を流した水の温かさ深夜三時のオムツのにおい
2018年10月06日『兆』

一曲のために揃えた薄桃の爪で小さな裸体を叩く
2018年10月04日『曲』

iPhoneで聞いた彼らの歌声で今日も乗り越えます空元気
2018年10月02日『元気』

乗る人もなく揺れているブランコに風の子供があやされている
2018年09月30日『揺』

大風に備えた家の軒下で忘れ去られた風鈴が泣く
2018年09月29日『風』

こんじきの頭を垂れる稲穂らをひとり眺める満員電車
2018年09月28日『米』

豚肉のパックで笑うブサキャラをつついて笑う妻の横顔
2018年09月27日『カワイイ』

ゆるやかに時の流れるリビングでひとりざわめく心臓の音
2018年09月21日『音』

ひとつだけ落としたふりの手袋の代わりに繋いだ手を振り歩く
2018年09月20日『落』

これこそが虚無の味だと嘯いて喉を流れるストロングゼロ
2018年09月18日『味』

私たち紅葉みたいね離れるとみるみる褪せていくところとか
2018年09月16日『紅葉色』

ありふれた日記の中に織り交ぜるひとさじ、甘い小さな嘘を
2018年09月15日『好きな本』

伸ばしかけ下ろした指の冷たさは喉に留めたあのね、の味だ
2018年09月14日『あの』

この中に私の魂以外のものが入っているおどろき
2018年09月13日『この』

どうしてそんなに捻くれてるんだ!と夫の怒声 お互い様かな
2018年09月12日『斜』

つながりは思い出じゃない指輪でも小指でもなく一枚の紙
2018年09月10日『自由詠』

丁寧に敷き詰められた白米とプラパック入りヘタ付きトマト
2018年09月09日『怒』

指先のやわらかさだけ覚えてるかんかんと泣く踏切の音
2018年09月08日『踏切』